1. 答えはNO
結論から申し上げると、抗うつ剤は頭痛薬や風邪薬と違って簡単にやめられる薬ではありません。もちろん、服用してそれほど日数が経っていなかったり、服用している用量が少なかったりすればそのぶん断薬は簡単かもしれません。ですが用量が増えれば増えるほど、服用している期間が長くなればなるほど、断薬は苦しいものになっていきます。

抗うつ剤を飲もうと決心されるということは、それだけつらい境遇にあるということでしょう。しかし、安易な気持ちで薬に手を出すと、後々とても苦労することにもなり得ます。抗うつ剤を飲むことを検討される際は、断薬のことも頭に入れておくことをおすすめします。

2. そもそも抗うつ剤ってどんな薬?
抗うつ剤という名前だけを聞けば何だか怖いもののように感じられるかもしれませんが、抗うつ剤は心の風邪薬のようなものです。身体的な調子が悪いときに飲むのが一般的な風邪薬だとすれば、精神的な調子が悪いときに飲むのが抗うつ剤です。痛み止めなどと違って世間一般に流通こそしていないものの、病院で処方してもらい服用している人は今日では珍しくありません。

用法・用量を守って使う分には決して怖い薬ではないのです。しかし、日常的に飲まれている薬と違って抗うつ剤には薬をやめるときに起こる副作用のようなものが存在します。

3. 断薬の敵・離脱症状
離脱症状とは今まで毎日飲んでいた薬が体に入ってこなくなったとき、変化にびっくりして起きる諸症状のことを指します。抗うつ剤を飲み始めた頃に起きた症状の断薬時バージョンのようなものです。手足のふるえや焦燥感、いらいらなど症状は人によって様々です。

これに耐えきれず断薬を諦めてしまう人も少なくありません。飲み始めの頭がふわふわするような感覚や頭痛、眠気などの副作用に悩まされることがなくなってきた頃に断薬を検討された方は要注意です。なぜならそれだけ体が良くも悪くも薬に慣れてしまっているからです。

1日3食しっかり食べている人が食事を抜くとバランスが崩れるように、1日に決まった量の薬を飲んできた体から薬を抜くとなると同じようにバランスが崩れ、離脱症状が現れます。

4. どうやって薬をやめたらいいの?
では、どうやって断薬すればよいのでしょうか。まず絶対に守ってほしいことがあります。それは自分の判断で勝手に薬をやめないことです。断薬を検討される方の多くは「自分は調子がよくなってきたんだ」「もう抗うつ剤なんて飲む必要はない」と考えてしまっています。

本当に回復してきている場合もありますが、薬を飲むことをやめてしまうと調子が悪くなってしまうことがほとんどです。お医者さんとの相談のもと、減薬から始めてゆっくりと断薬へ向かってください。また、無理は禁物です。調子を崩すことなく減薬できているからといって、自己判断で薬を減らしてはいけません。

調子が悪くなってきたと判断したら、お医者さんに必ず相談し、一旦薬を増やすことも考えてください。何よりストレスをためることはよくありません。あせることなく時間をかけて少しずつ断薬してくださいね。